~楽しかった編~
私が一番楽しかったことは、障がいをもっていても、普通の子と同じように遠くに遊びに行けたこと。
もちろん障がいがあるから、多少のことは友人にサポートしてもらわなければならなかったけれど、それでも、友人と仲良く笑って、私や友人が大好きなカラオケをすることができた。
こうやって、遊ぶようになった最初のキッカケをつくってくれたのは大学時代の先輩、そして大学時代の私の同級生。
私が大学2年生の時に、先輩が私に「カラオケは好き?」と声をかけてくれたのが、はじまりだった。
それから、お互い都合をあわせ、気がつけば、私を含め、先輩後輩4人でカラオケに行ってたのしんでいた。
それまで私は、通院以外で名古屋へ行くことはなく、カラオケも家の近くにあるものの、1人では利用することはなかった為、友達と名古屋でカラオケをするということが新鮮だった。
カラオケをやる時間は大体フリータイムの6時間。その間は笑いが耐えなかった。
それぞれ歌う曲のジャンルもバラバラで演歌やアニメソング、自分が好きなアイドルの歌など、様々だった。
なかには、採点機能をつかって自分が選曲した曲を歌ってみて何点だったとか、歌があまり上手くない人にはちょっとしたイタズラで、その人の歌っている最中 に曲の速度を速くしたり、遅くしたりした。それでも、まだ足りないときにはその人が苦手とするジャンルの選曲を勝手におこない、歌ってもらう間は、残され た者同士で勝手におしゃべりしていた。
その時だけの短い時間ではあるものの、私はこの時間を大いに楽しんだ。
そして、私は気づいた。障がい者でも普通の人と同じように楽しむ権利があり、当たり前の生活を当たり前にできることが幸せで楽しいということを。